公開日:2025年7月4日
世界の音楽市場におけるストリーミングの位置づけ
近年、音楽ストリーミングサービスは、世界の音楽ビジネスの中心的な存在です。
2024年時点で、音楽ストリーミングは全体の約69%を占める規模に成長しており、物理メディアやダウンロード販売などの従来型収益モデルを大きく上回る主要な収益源となっています。グローバルな音楽市場規模は362億ドル(約5.4兆円)とされており、その中でもストリーミング関連収益は250億ドル前後に達しています。
なかでも、有料サブスクリプションが市場を牽引しており、2024年時点の有料会員数は約7.5億人にのぼり、前年からも堅調な増加を見せています。(IFPI data)
成長鈍化の兆しとその理由
音楽ストリーミングは拡大を続けていますが、近年はその成長ペースに変化が現れています。2023年は前年比10.2%の成長を記録したのに対し、2024年は6.5%増とやや減速する結果となりました。この背景には、北米や欧州など成熟市場でのユーザー成長の鈍化が影響していると見られています。
一方で、収益面では価格改定によるARPU(ユーザー当たり収益)の引き上げが進行しており、ビジネスモデルの安定性はむしろ高まっています。また、広告付きの無料ストリーミングの成長は限定的であり、収益の多くは有料プランから得られています。
ストリーミング業界は、量的拡大から質的成熟へと移行する局面に入りつつあると言えるでしょう。
今後の成長シナリオ
各種市場調査によると、音楽ストリーミング市場は今後も中長期的に成長が見込まれています。
MIDiA Researchは、ストリーミング市場が2030年には506億ドル規模に達すると予測しており、2023年比で約1.8倍の成長を意味します(年平均成長率 約8〜9%)。
このような成長を牽引するのは以下の要素です。
- 中南米、アジア、中東、アフリカなど新興地域におけるモバイル普及とネット接続環境の改善
- 音声コンテンツ(ポッドキャストやライブ配信)との融合による利用時間・定着率の向上
- AIによるレコメンド技術やパーソナライズ化によるUX向上とリスナー定着
従来の「音楽を届けるプラットフォーム」から、「体験を拡張するインフラ」への進化が期待されていると言えるでしょう。
当社の見解と取り組み
当社では、音楽ストリーミングの進化のトレンドだけでなく、次世代の社会インフラとしての成長性に注目しています。
今後のストリーミング業界の変化に対して、当社は以下の3つの観点から積極的に取り組んでまいります。
- 独自コンテンツとキュレーションの強化
- アーティスト支援やオリジナル音源の制作支援を通じて、差別化された音楽体験を創出
- 新興市場へのアプローチとパートナー戦略
- グローバル視点で提携機会を模索し、アジア地域でのプレゼンス拡大を検討
- Web3・トークンエコノミーとの連携
- アーティストやファンと直接つながる新たな価値循環モデルの構築に取り組む
当社はこれらの戦略を通じて、収益基盤の多様化と持続可能な成長の両立を目指します。
投資家の皆様へ
音楽ストリーミング業界は現在、成長から成熟への移行期にあり、競争環境が変化するなかで、サービスの本質的価値の重要性はますます高まっています。
当社は、音楽とテクノロジーの領域で、次世代の音楽体験を創造し続ける企業として、新たな成長機会を探求してまいります。中長期的な企業価値向上にご期待ください。
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